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眠れない夜とマインドフルネス

こんばんは。医師でマインドフルネス講師の植田真史です。今回は睡眠とマインドフルネスについてお話しします。

睡眠の非日常性

睡眠は、私たちが日常的に行う中で最も非日常的で、かつ評価されていない行為の一つです。毎日私たちは快適な場所で横になり、数時間、自分の体から意識を切り離すのです。これは、ある意味で神聖な時間とも言えます。私たちは睡眠を大事にしていて、何かの目標を達成するために徹夜することは避けたいと思うものですよね。「6時間寝ないと体が持たない」というのは、よく耳にする話です。しかし、1時間や15分でも早起きして、自分の大切な時間を作ることに対しては抵抗感があるかもしれませんね。睡眠時間を変更するのは怖れを感じることさえあるでしょう。

睡眠とストレスの関連

ストレスが引き起こす最も一般的な初期症状の一つが睡眠障害です。思考が停止して眠れないか、夜中に目が覚めてしまうか、あるいはその両方の問題を抱えることがあります。寝ようとすればするほど、目が覚めてしまうという状況に陥りがちです。無理に寝ようとすることはできず、眠ろうとするほど緊張や不安が高まり、睡眠を阻害してしまいます。

自然界との調和が生み出す睡眠パターン

私たちの睡眠パターンは自然界と密接に関連しています。地球が24時間ごとに自転して生み出す光と闇のサイクルに合わせ、生物もそれに従って循環しています。これらのリズムは、脳や神経系の神経伝達物質の放出や細胞の性質の変動に現れます。視床下部の「体内時計」は睡眠と覚醒のサイクルを調整しますが、飛行機での移動や夜勤など、異なる行動パターンによって乱れることがあります。

睡眠の質の改善にはマインドフルネスを

以前、睡眠障害に悩むある女性がマインドフルネスストレス低減法(MBSR)8週間コースを受講しました。その方は高血圧を薬でコントロールしており、生活の中で睡眠に問題を抱えていました。ほとんどの夜は目が覚めてしまい、安定剤を処方されましたが、薬に頼りたくないと考えていました。マインドフルネスストレス低減法(MBSR)8週間コースで瞑想とヨガを続け、ストレスが低下し、8週間後には驚くほど良く眠れるようになりました。

睡眠障害に直面している場合、それは人生の中でストレスを感じているシグナルかもしれません。ストレスが解消されれば、睡眠パターンも改善される可能性があります。運動や趣味の時間を増やすことも有効です。睡眠の必要性は年齢と共に変化し、4〜6時間の睡眠で十分に機能する人もいます。眠れないときは、ベッドから出て何か他のことに取り組むことも一つの方法です。瞑想やボディスキャンなどのマインドフルネスを実践すれば、心が落ち着き、再び眠りにつくことができます。夜中に起きてヨガをすることも、一時的に目が覚めてしまうかもしれませんが、不眠に対処するために自分が起きていることを認識し、受け入れることで再び眠りにつきやすくなります。眠らないと最悪の一日になると悲観的に考えるのではなく、未来に任せる姿勢を持つことが大切なのです。


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